インフルエンザの流行に備えた今後の対応について
インフルエンザの流行に備えた今後の対応について
令和2年10月23日 京都府
Ⅰ インフルエンザ流行期に備えた医療検査体制の強化
本年秋冬には、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の感染拡大期の同時到来の可能性
ピーク時に想定される必要な検査は
新型コロナウイルス感染症に伴う検査 2,000件/日
季節性インフルエンザ流行に伴う検査 7,500件/日
これらに対応した相談・受診・検査体制が必要

インフルエンザの流行期に備え、発熱等の症状のある方が、身近な医療機関で相談・受診・検査が受けられる体制整備と入院措置の対象の明確化、保健所体制の強化が必要

国の方針を踏まえ、10月末までに医療検査体制等を強化
(1)相談・受診・検査体制
- 地域の診療所で、相談・受診・検査ができる体制の整備
- 抗原検査キットの活用による新型コロナとインフルエンザの検査を同時に実施
- 夜間・休日の医療相談窓口は、府市協調で設置
(2)入院勧告の見直しを踏まえた医療提供体制
- 高齢者等重症化リスクのある方は原則入院
- 施設・自宅療養の運用の明確化
(3)保健所体制
- 感染者の増加を想定し、積極的疫学調査やクラスター対応に重点化
- 自宅療養者に対するフォローアップの充実
1 相談・受診・検査体制について
11月1日から、身近な医療機関で、発熱等の相談・受診・検査ができる新たな体制に移行
(1)身近な医療機関で相談・受診・検査できる体制整備
- 発熱等の症状のある方が、地域の診療所に相談できる体制を整備
- 自院が検査ができない場合は、検査可能な身近な医療機関(地域の診療所や接触者外来)、京都検査センターを紹介
- 抗原検査キットを活用した新型コロナとインフルエンザ両方の検査を実施できる身近な医療機関を確保
- 10月末までに、専門家や地域の意見を踏まえて、受診・検査ができる地域の診療所及び接触者外来を診療・検査医療機関として指定
(以降も随時拡充予定)
(2)新型コロナ医療相談センター
- 府市協調により、休日・夜間やかかりつけ医のいない方からの受診・検査等に関する相談を受け付ける医療相談窓口を設置
【参考】相談・受診・検査体制の状況
- 新型コロナとインフルエンザ両方の迅速検査(抗原検査キットを活用)が可能な医療機関(現時点)
診療所:164箇所
接触者外来:52箇所
- 新型コロナのPCR検査が可能な医療機関等(現時点)
診療所:477箇所
接触者外来:55箇所
京都検査センター:3箇所
【参考】発熱等の症状のある方の相談・受診・検査の流れ
- 11月1日から、新型コロナウイルス感染症に関する相談・受診・検査体制が変わります
2 入院勧告の見直しを踏まえた医療提供体制について
感染症法に基づく入院勧告・措置の見直しを踏まえ、入院及び施設・自宅療養の対象を明確にし、身近な地域で医療が受けられる体制を強化
医療体制強化の基本方針
- 高齢者や基礎疾患を有する者など重症化リスクのある方は、入院を原則とする
- 無症状や軽症で入院の必要がないと判断された者は、施設療養(適切な者は自宅療養)を基本とする
- 施設・自宅療養中の病態悪化時に、迅速に対応できる体制を構築する
入院・施設療養・自宅療養のトリアージ基準
〔入院〕
- 65歳以上
- 基礎疾患を有する者(呼吸器疾患、臓器等の機能や免疫の機能が低下しているおそれがある者 等)
- 妊婦
- 新型コロナの症状が重度または中等度である者
- 症状等を総合的に勘案して医師が必要があると認める者
- 知事等がまん延を防止するため必要があると認める者
〔施設・自宅療養〕
- 次の者については施設療養とする
- 高齢者や重症化リスクのある方と同居している者
- 医療や福祉・介護職員など高齢者等と接触する者と同居している者
- 総合的に勘案して医師が必要と認める者
- 適切な感染管理を行うことができる、独居で自立生活が可能な者、生活空間の分離が可能な者などについては自宅療養も可とする
【参考】医療提供体制の状況
<医療提供体制>
- 入院病床
569床(うち重症86床)(現時点) → 750床(年内目標)
- 宿泊療養施設
338室(現時点) → 当面現状を維持
注※今後の感染状況等に応じて柔軟に対応
3 保健所体制について
保健所機能を積極的疫学調査やクラスター対応に重点化するとともに、自宅療養者に対する新たなフォローアップ体制を整備
(1)保健所機能の重点化
重点化する業務
<積極的疫学調査>
- 陽性者に対する迅速な行動調査及び濃厚接触者の早期把握
- 感染者が多発している地域等において、感染拡大防止のため、高齢者施設等の入所者や職員等を対象にしたPCR検査の実施
<クラスター対応>
- クラスター発生時の医療機関や高齢者施設等への感染拡大防止のための専門家チームの派遣
- 医療機関や高齢者施設等への感染予防にかかる助言・指導
新たに設置するセンター等に集約する業務
- 医療相談を府市協調で設置する新型コロナ医療相談センターに集約
- 新たに自宅療養者等に対するフォローアップチームを設置し、効率的・効果的に患者をケアする体制を構築
(2)HER-SYS等の運用改善
- 感染状況の早期把握、一元的管理等のため、診療所や医療機関におけるHER-SYS(注1)やG-MIS(注2)を活用した情報共有の促進
(注1)HER-SYS(新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム)とは、新型コロナウイルス感染者の情報(氏名、症状、行動歴等)を医療機関等が入力し、一元的に把握、関係者間で情報を共有できるシステム
(注2)G-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)とは、新型コロナウイルス感染疑い患者の外来受診者数や検査実施数、医療機器や医療資材の確保状況等を医療機関が入力し、一元的に把握、関係者間で情報を共有するシステム
(3)人材バンク創設
- 潜在保健師や退職保健師を登録する人材バンクの創設
- 保健師等の専門性を維持するため、定期的に研修会を実施
Ⅱ 府民への要請と3つの重点対策の推進
感染拡大防止と社会経済活動の両立を図るため、府民一人一人に新しいライフスタイルの実践を引き続き要請するとともに、3つの重点対策を継続
1 WITHコロナ時代の新しいライフスタイルの実践
(1)感染防止の3つの基本(身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い)を実践すること
(2)換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面を避けること
(3)発熱又は風邪の症状がある場合は、無理せず自宅で療養すること
(4)店舗等を利用する場合は、ガイドライン推進宣言事業所ステッカー掲示施設を利用し、「こことろ」等接触確認アプリを活用すること
(5)新型コロナは、誰もが感染しうる病気であり、感染者等に対する差別的扱いや誹謗中傷は絶対に行わないこと
2 安心して飲食店を利用するために
(1)飲食店等に対するガイドライン遵守の要請
- ガイドライン推進京都会議によるステッカー掲示の徹底
- 府警本部・保健所の立入調査等の機会を活用したガイドライン遵守啓発
- 府警本部が実施する社交飲食店等への管理者講習の機会を活用したガイドライン遵守啓発(10月~3月、約1,000店舗)
- 対策チームによるクラスター発生店舗、感染防止対策不備店舗等へのガイドライン徹底指導
(2)飲食機会における感染防止対策の要請
- ガイドラインを遵守していない店舗の利用を自粛すること
- 大人数での大声の会話・歌唱を伴う宴会・飲み会は、控えること
(3)接触確認アプリ等の普及推進
- 「こことろ」等接触確認アプリの登録店舗、利用者の一層の拡大
- 感染者と接触可能性がある「こことろ」等接触確認アプリ等利用者に対するPCR検査の実施
3 大学・中高生が安心して学生生活を送るために
(1)大学における感染防止対策の継続・強化
- 大学内でのオンライン受講環境の整備や学生寮の相部屋解消等、学内の感染拡大防止対策の支援
- 啓発動画・メール等による大学生活における感染防止対策の注意喚起の実施
(2)大学生活における感染防止対策の要請
- 日常生活における感染防止のため、徹底して3密を避けること
- 大学等における感染拡大予防のためのガイドライン等を遵守すること
- 課外活動では、責任者を決め、活動マニュアルを遵守すること
(3)中学校、高校における感染防止対策
- 有識者メッセージ動画による中高生への新しい生活様式等の啓発
- 部活動等、集団活動を含めた感染防止の注意喚起
(4)大学生等PCR検査ネットワークの構築
- 医療機関・施設等で実習する大学生等を対象としたPCR検査実施
- 大学保健センター等におけるPCR検査実施のための体制支援
4 重症化リスクのある方の感染を防ぐために
(1)高齢者施設等における面会の自粛要請
- 医療機関、高齢者施設等への面会については基本的には自粛することとし、面会を実施する場合には、感染防止対策を徹底すること
(2)高齢者施設等の職員に対する研修実施等
- 感染症専門看護師の監修の下、食事介助、防護服の着脱等の研修動画(全9回)を作成し、感染防止対策研修を実施
- 研修動画の内容に対応したチェックリストを配布し、点検を実施
(3)高齢者、基礎疾患のある方等への要請と配慮
- 人混みや感染多発地域への外出は極力控えること
- 高齢者等に会う際には、厳重に体調管理するとともに感染防止対策を徹底すること
(4)高齢者施設等におけるPCR検査の実施
- 感染者が多数発生している地域等に立地する医療機関や高齢者施設等に勤務する職員、入院・入所者等を対象としたPCR検査の実施
(5)介護職員の相互支援によるサービスの継続
- 府・市及び老人福祉施設協議会等と協定を締結し、介護施設等における患者発生時に応援職員を派遣し、介護サービス等を継続