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(前回のレッドリストとの変更点)
1.今回は従来の要注目種から要注目外来種を除外したこと
2.評価対象種は、京都府で確認された種を対象としたこと(前回は要注目種に今後分布する可能性の高い種を入れていたが、今回は省いた。)
以上1と2の変更は要注目種をレッドリストの4番目のランクとして位置づけしようとしたことによる
3.京都府確認種については、環境省第三次リストに準じて亜種名がつけられている種は亜種名を用いたこと
京都府で確認された哺乳類のうち、在来種の種数は前回6目16科36種であったが、今回は、前回は要注目種に入れていたモモジロコウモリとユビナガコウモリが確認された結果、6目16科38種となった。このうち、絶滅のおそれのある種(括弧内は前回種数)は、絶滅種2種(2種)、絶滅寸前種9種(10種)、絶滅危惧種6種(4種)、準絶滅危惧種7種(5種)、要注目種3種(4種)となり、総数は、27種(25種)となり2種増加した。これは評価対象種38種中(36種)27種(25種)で71%となり前回(69%)より2%増加し、大半の種で絶滅のおそれの生じていることが判明した。
前回からランクが同じ種については記述をせず、変更した種についてランク別に下記する。
【絶滅寸前種】:ミズラモグラとコキクガシラコウモリの2種を絶滅寸前種から絶滅危惧種にランクを下げたが、これは両種の生息確認が前回より増加しことによる。一方、ニホンカモシカは前回準絶滅危惧種であったが、今回は絶滅寸前種にランクを上げた。これはシカの影響によるものと思われるが、分布の確認状況が一段と厳しい状態となったためである。また、前回分布する可能性が高い種として、要注目種に入れていたユビナガコウモリが新たに絶滅寸前種にランク付けされた。
【絶滅危惧種】:上記のミズラモグラとコキクガシラコウモリの2種が入ったことと、前回、絶滅危惧種のホンシュウトガリネズミを要注目種にランクを下げた。これはこの記録の標本が無く、その後の調査でも確認されず情報の再確認が必要となったことによる。また、前回は分布している可能性が高い種として、要注目種にしていたモモジロコウモリが確認され、これが絶滅危惧種に入れられたことが変更点である。
【準絶滅危惧種】:前回、絶滅寸前種であったキクガシラコウモリの新たな生息地が見つかり、準絶滅危惧種にランクを下げた。また、前回リスト外であったサイゴクジネズミとハタネズミを準絶滅危惧種にランク付けした。サイゴクジネズミはシカによる下層植生の衰退、ハタネズミに関しては、主な生息地であった桂川や三川合流点での河川開発や樹林化や多年生草本が増加したこと、休耕地が減少したことなどが原因である。
【要注目種】:今回は要注目外来種および未確認であるウサギコウモリを除外したこと、上述したホンシュウトガリネズミを要注目種にランク下げしたこと、およびホンドキツネをリスト外からこのカテゴリに加えた。これは河川におけるホンドキツネの確認状況が大幅に減少したことや人家周辺部での確認が激減したことによる。
〈 ほ乳類 28種 〉
絶滅種(2種)
ニホンオオカミ、ニホンカワウソ
絶滅寸前種(9種)
△ユビナガコウモリ、クロホオヒゲコウモリ、ヤマコウモリ、ヒナコウモリ、テングコウモリ、
コテングコウモリ、オヒキコウモリ、ツキノワグマ、△カモシカ
絶滅危惧種(6種)
カワネズミ、▽ミズラモグラ、▽コキクガシラコウモリ、△モモジロコウモリ、モモンガ、ヤマネ
準絶滅危惧種(7種)
アズマモグラ、○サイゴクジネズミ、▽キクガシラコウモリ、ムササビ、スミスネズミ、
ホンシュウカヤネズミ、○ハタネズミ
要注目種(3種)
▽ホンシュウトガリネズミ、ホンドニホンザル、○ホンドキツネ
凡例
△:アップリスト種 ▽:ダウンリスト種 ○:新規掲載された種 ☆:種名などの変更 |
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