選定理由 |
府内の生息地が限られ、個体数も少ない。 |
形態 |
成殻は卵円形で、殻頂から同心円状に太いしわが発達する。殻頂の両側背縁に翼状突起があり、幼貝では著しく発達するが、成貝になると目立たなくなる。殻長は最大で20cmに達する。幼生は亜三角形で、腹縁に刺状突起があり、殻長は0.26mmである。 |
分布 |
滋賀県、京都府、大阪府に分布し、府内では巨椋池で記録がある。
◎府内の分布区域
淀川水系。 |
生態的特性 |
少し流れがあるか、伏流水がある場所の軟泥底に20〜30cmも深く潜っていることが多い。幼生は主として4月下旬から5月中旬にかけて放出され、ヨシノボリなどに寄生する。 |
生息地の現状 |
巨椋池は干拓されて消滅した。この場所以外では記録はないが、三川合流点付近の淀川の深みにまだ生息していると考えられる。本種はドブガイ類の中で唯一翼状突起が発達するという点で、特異な種である。 |
生存に対する脅威 |
河川改修による生息場所の破壊や水質汚濁による環境の悪化。 |
必要な保全対策 |
ある程度の水域面積があり、少し流れのある入り江や伏流水のあるワンドを、河川改修の際に保全する必要がある。 |
その他 |
琵琶湖・淀川水系固有種 |