選定理由 |
全国的に採集例が稀であり、京都府でも1回しか採取されていないため。 |
形態 |
体長5〜8mm。眼は6個で、後中眼を欠く。頭胸部の後半部分が隆起し、身体は濃紫色である。
◎近似種との比較
ヤマシログモの身体が濃紫色であるのに対して、ユカタヤマシログモの背甲と腹部は黄褐色で、褐色の対斑がある。歩脚に輪紋がある。ただし、ヤマシログモの幼体は黄褐色で、同定に注意を要する。頭胸部後方の隆起は、ユカタヤマシログモの方が著しい。 |
分布 |
本州、四国、九州、南西諸島に分布する。京都府では、京都市で1回だけ採取されている。 |
生態的特性 |
ヤマシログモ属のクモは、頭胸部の後方が著しく隆起している。これは、粘糸をつくる器官が内蔵されているためである。徘徊性のクモで、口から粘糸を放出して獲物を捕らえ、欧米ではspitting spiders と呼ばれている。生活史は不明である。 |
生息地の現状 |
家屋内の床下や押入などや屋外の暗所に棲む。 |
特記事項 |
日本蜘蛛学会は本種を環境省の絶滅危惧種IAとしてRDBに登載するように提案したが、屋
内性の動物はその対象にならないとして、登載されなかった。しかし、屋内にだけ生息する
わけではなく、採取例が極めて稀であることことから、京都府の絶滅危惧種とした。
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その他 |
日本固有種 |