選定理由 |
京都府では、1箇所でしか生息が確認されていないため。 |
形態 |
体長メス12〜18mm、オス9〜13mm。頭胸部は黒く腹部は褐色である。 |
分布 |
岩手県から岡山県までの本州に分布する。府内では、八幡市の石清水八幡宮で生息が確認されている。 |
生態的特性 |
乾燥した崖地に深さ10〜20cmの横穴を掘り、入口に糸でつくった両開きの扉をつける。扉には土やコケがついていることが多く、非常に発見しにくい。穴の壁面も糸で裏打ちされている。産卵期は7〜8月、孵化は9月と推定される。仔グモはそのまま母親の巣の中にとどまって越冬し、翌年の春に分散して自分の巣をつくる。成熟に要する期間はわかっていないが、2〜3年であると推定される。崖地のくぼみ、木の根、岩の下など、直接雨の当たらないやや乾燥した場所を好む。表面を雨水が流れる崖地や水がしみ出すような場所は好まない。 |
生存に対する脅威 |
本種の産地は本州のあちこちに散在しているが、採集記録はあまり多くない。愛知県では、海岸から標高1200mの山地まで分布するが、600mより高いところには少ない。静岡・愛知両県の生息地では本種の密度はかなり高い(10〜300巣/u)が、三重県では非常に低い(1〜2巣/u)。照葉樹林が残っている神社や寺院で採集されることが多い。本種は京都府では1箇所でのみ発見されている。これは、本種の分布の中心が中部・東海地方であり、京都府は分布の周縁部であることを意味しているのかもしれない。 |
必要な保全対策 |
神社や寺院は見事な照葉樹林を残している場合が多く、その保存が肝要であろう。 |
その他 |
日本固有種 |