選定理由 |
北海道から四国までの亜高山帯の針葉樹の樹幹に着生する種で、近畿地方ではほとんどの場合、標高1000m以上のところに出現する。京都府では標高600mの場所からの報告があるが、これは極めて稀なケースである。本種の生態的特徴から考えて、府内に他の産地がある可能性は極めて小さいと思われる。 |
形態 |
植物体は白緑色で、茎は長さ0.5〜1cmで不規則に2又状に分枝する。葉は2つ折りになり、背片は卵形で縁に1〜5本の長毛がある。腹片は背片とほぼ同大で、先は切形で2歯がある。腹葉は茎の2〜3倍の幅があり、円形で1/2まで2裂し、全縁。
◎近似種との区別
同属のもう一つの種、ケシゲリゴケは腹葉が茎の幅の4〜6倍もあることによって容易に区別することができる。 |
分布 |
北海道〜四国:サハリン(樺太)。
◎府内の分布区域
京北町廃村八丁。 |
生態的特性 |
一般に、亜高山帯の針葉樹林(稀にはハイマツ林)の針葉樹の樹幹に着生するが、近畿地方ではしばしばブナ帯の広葉樹の樹幹に着生する。 |
現状・脅威・対策 |
今回の調査では生育は確認されなかった。生育地の森林を保全することが必要。 |