コケ植物
苔類 クラマゴケモドキ目 クサリゴケ科
苔類 クラマゴケモドキ目 クサリゴケ科
タカネシゲリゴケ
Nipponolejeunea subalpina (Horik.) S. Hatt.
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
---|---|
2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 北海道から四国までの亜高山帯の針葉樹の樹幹に着生する種で、近畿地方ではほとんどの場合、標高1000m以上のところに出現する。京都府では標高600mの場所からの報告があるが、これは極めてまれなケースである。本種の生態的特徴から考えて、府内に他の産地がある可能性は極めて小さいと思われる。 |
---|---|
形態 | 植物体は白緑色で、茎は長さ0.5~1cmで不規則に二叉状に分枝する。葉は二つ折りになり、背片は卵形で縁に1~5本の長毛がある。腹片は背片とほぼ同大で、先は切形で2歯がある。腹葉は茎の2~3倍の幅があり、円形で2分の1まで二裂し、全縁。 ◎近似種との区別 同属のもう一つの種、ケシゲリゴケは腹葉が茎の幅の4~6倍もあることによって容易に区別することができる。 |
分布 | 北海道、本州、四国、サハリン(樺太)。 ◎府内の分布区域 京都市右京区廃村八丁。 |
生態的特性 | 一般に、亜高山帯の針葉樹林(まれにはハイマツ林)の針葉樹の樹幹に着生するが、近畿地方ではしばしばブナ帯の広葉樹の樹幹に着生する。 |
生育地の現状 | 今回の調査では生育は確認されなかった。 |
必要な保全対策 | 生育地の森林を保全することが必要。 |
文献 岩月、水谷(1972)、児玉(1972)、Mizutani(1961)
執筆者 長谷川二郎