選定理由 |
中国との交易が盛んであった港地近くに多く、自然山野に見られないため、中国、台湾などからの古い移入種とみなされる。したがって京都府では分布は市街地に限られるが、生息域である古い家屋納屋などがなくなると、本種の生存も危うくなると思われる。 |
形態 |
原色昆虫大図鑑(II)甲虫篇111 図版No.18:原色日本甲虫図鑑(III)49 図版No.1を参照。触角先端4節は算盤玉状で赤褐色の短軟毛に覆われる。 |
分布 |
本州、四国、九州、台湾、中国大陸北部。
◎府内の分布区域
京都市左京区杉峠:塚本ほか(1993):浄土寺:塚本ほか(1993):京都市右京区梅津:環境庁(1978):京都市西京区桂:高橋(1985):京都市南区羅城門:塚本ほか(1993):宇治市五ケ庄:塚本ほか(1993):綴喜郡井手町:高橋(1985)。 |
生態的特性 |
生態はよくわからないが、古い家屋の床下や納屋などに多く、飛翔力はないので食糧とともに移動し、米糠やキャベツなど野菜も食べたものと推定される。 |
生息地の現状 |
生息環境が特殊であり、そのような生息環境は古い家屋が少なくなるにつれ、急速に減っている。 |
生存に対する脅威 |
古い町屋は取り壊されてなくなっていき、本種のような飛翔力のない種は代わりのニッチを見つけにくくなっていると思われる。 |
必要な保全対策 |
古い家屋は建て替えざるを得ず、本種の直接の保全策は、米糠の漏洩などのありうる旧来の農家の納屋の継続ぐらいしか思い当たらない。 |