選定理由 |
京都府から記載された種であって、京都府では産地は広く、大阪府でも個体数が多いが、それ以外ではきわめて稀な種で、非常に特異的な分布を示す。 |
形態 |
原色昆虫大図鑑(II)甲虫篇(北隆館)105 図版No.18:原色日本甲虫図鑑(保育社)(III)43 図版No.20を参照。体長3〜4mm、前胸背板は前・側縁を除き黒色、各上翅は褐色地に中央に縦長黒条があるが、黒化したもの、黒条のないもの等、変化が著しい。初めはVerania属として記載された。 |
分布 |
本州、九州。
◎府内の分布区域
北桑田郡 美山町芦生:水野(1977a):京北町:環境庁(1978):京都市左京区 大悲山:Nakane & Araki(1960、タイプ産地: Verania kiotoensis):尾越:高桑ほか(1992):花背別所町:環境庁(1978):芹生:Nakane & Araki(1960、パラタイプ産地: Verania kiotoensis):京都市右京区 嵐山(1967.VII.31 安田, T. 採集):京都市西京区 桂:Nakane & Araki(1960、パラタイプ産地: Verania kiotoensis):宇治市木幡池(1995.V.2 水野弘造採集):八幡市 木津川:谷(1993):綴喜郡 井手町:高橋(1985) |
生態的特性 |
生態は余りよくわかっていないが、アシ原に多い種である。京都市北山では路傍の草を掬って採れている。 |
生息地の現状 |
京都府南部地域の木津川では河川敷は現在まだ残されている。 |
生存に対する脅威 |
既知産地はいずれも特に問題があるとは思えない。ただし、木津川、宇治川河川敷の個体群は河川敷の改修いかんによるであろう。木津川では今後河川敷の公園化が計画されている。桂川では河川敷は既に大部分が改修されて、本種の生息環境は失われた。 |
必要な保全対策 |
府南部地域においては河川敷の保全がすべてである。 |
その他 |
日本固有種 |