選定理由 |
かつては各地の池沼に見られた水生甲虫であるが、圃場整備等による池沼の消滅、改修、農薬の流入による水質悪化などにより、近年顕著に減少した。 |
形態 |
体長33〜40mm。日本で最大のガムシ科甲虫。体は黒色。背面は膨隆し、光沢がある。コガタガムシに似るが、体が大きいこと、腹面の後胸突起が短いことにより区別される。 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、南西諸島。国外では朝鮮半島、中国大陸、台湾。
◎府内分布区域
ほぼ全域から記録がある。 |
生態的特性 |
幼虫、成虫ともに水生植物の多い池沼、水田、休耕田に生息する。幼虫は動物食、成虫は主に植物食。成虫は夜間灯火によく飛来する。大型ゲンゴロウ類に比べると、より富栄養化した水域でも生育できることから、生息地の嗜好範囲は広い。 |
生息地の現状 |
かつては平野〜低山帯のたいていの池や沼で見られた水生甲虫で個体数も少なくなかったが、近年顕著に減少した。しかし、亀岡市南部や丹後半島などでは、まだ局地的に多くの個体数が見られる。 |
生存に対する脅威 |
生息地の池沼の消滅、農薬の流入などによる水質汚染。 |