選定理由 |
府内の分布は極めて局限されており、従来から個体数は決して多くはないが、近年特に激減している。 |
形態 |
体長20〜30mm、日本で最大のベッコウバチ。黒色、顔面両側に黄色の斑紋、第3腹板に黄色の横帯。 |
分布と生態的特性 |
中国大陸、朝鮮半島、本州に分布。府内では京都市、久御山町で確認されている。近年、北山(花背)でも記録されたが、ごく希少。もっぱら大型のオニグモのみを狩り、ノネズミの穴や石垣の隙間などの奥で営巣する。滋賀県北部ではコケオニグモを狩った珍しい記録がある。営巣行動の詳しい観察例はない。 |
生息地の現状と保全対策 |
京都市の東山丘陵一帯ではむしろ少なく、久御山町では社寺森林で、北山でも人家近くで記録されている。営巣地に古い人家の縁下など暗い地面を選ぶこともある。オニグモはかつて人家の近辺にかなり高い密度でいた。その頃は本種の個体数はもっと多かったと推察される。しかし、ここ20年くらいの間は、さらに激減しており、特に営巣場所となっていた隙間の多い古い石垣や家の縁下などが、近年の建築物の構造が変わって、少なくなったことも影響していると見られる。詳細は不明だが、なによりもオニグモの個体数の回復が必要条件で、人家近辺だけでなく、豊富な昆虫の生存を可能にする森林の保全が前提になる。 |
その他 |
東アジア固有種 |