膜翅(ハチ)目 クモバチ科
フタモンクモバチ
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 |
---|---|
2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 準絶滅危惧(NT) |
選定理由 | 府内の分布は極めて局限されており、従来から個体数は決して多くはないが、近年特に激減している。 |
---|---|
形態 | 体長20.0~30.0mm、日本で最大のベッコウバチ。黒色、顔面両側に黄色の斑紋、第3腹板に黄色の横帯。 |
分布 | 中国大陸、朝鮮半島、本州に分布。 ◎府内の分布区域 府内では京都市、久御山町で確認されている。近年、北山(花背)でも記録されたが、ごく希少。 |
生態的特性 | もっぱら大型のオニグモのみを狩り、ノネズミの穴や石垣の隙間などの奥で営巣する。滋賀県北部ではコケオニグモを狩った珍しい記録がある。営巣行動の詳しい観察例はない。営巣地に古い人家の縁下など暗い地面を選ぶこともある。 |
生息地の現状 | 京都市の東山丘陵一帯ではむしろ少なく、久御山町では社寺森林で、北山でも人家近くで記録されている。 |
生存に対する脅威 | オニグモはかつて人家の近辺にかなり高い密度でいた。その頃は本種の個体数はもっと多かったと推察される。しかし、1990~2000年代にかけて、さらに激減しており、特に営巣場所となっていた隙間の多い古い石垣や家の縁下などが、近年の建築物の構造が変わって、少なくなったことも影響していると見られる。 |
必要な保全対策 | なによりもオニグモの個体数の回復が必要条件で、人家近辺だけでなく、豊富な昆虫の生存を可能にする森林の保全が必要。 |
その他 | 日本固有種 |
執筆者 遠藤彰