選定理由 |
本種はその名の由来どおり京都府の花背をタイプ産地とする。本属のハバチは一般に高山性で、本州の低山地に分布する唯一の種であるとともに、これまで記録された産地も近畿地方の山地に限られ、個体数も極めて少ない。 |
形態 |
体長はメスで16mm、オスで14mm。体と棍棒状の触角は黒色で、頭部は黒褐色の、胸部と腹部は黄褐色の長毛で被われる。脚は黒色で、脛節及びふ節は黄色、腿節下部の先端近くに顕著な突起を有する。翅は透明で、前翅は黄味を帯び、前後翅の先端は曇る。 |
分布 |
日本固有種であり、近畿地方の自然環境の良好な山地に局地的に分布している。
◎府内の分布区域
京都市北部。
◎近似種との比較
ヒラクチハバチ属は日本に数種分布するが、いずれも中部地方以北の高山地域に分布しており、本種と混生することはない。 |
生態的特性 |
本種の生活史は未知である。 |
生息地の現状 |
花背や貴船など、自然度の高い落葉広葉樹林に生息している。非常に個体数が少ないため、特殊な環境条件下で生活していることが予想される。 |
必要な保全対策 |
京都北山一帯の落葉広葉樹林の持続的な保全が望まれる。 |
その他 |
日本固有種 |