選定理由 |
府内では、南部地域の限られた地域だけに分布するため。 |
形態 |
前翅長35〜45mmの大型のヒカゲチョウ。翅表は淡黒褐色で、後翅に5個の黒紋列がある。裏面は淡褐色だが、個体によって黄色っぽいものから白っぽいものまで変異がある。裏面には普通前翅に1〜2個、後翅に6個の眼状紋がある。
◎近似種との区別
本種と見誤るような近似種はいない。 |
分布 |
北海道、本州。分布は局地的である。
◎府内の分布区域
南部地域(宇治田原町、加茂町、笠置町、南山城村)に局地的。 |
生態的特性 |
雑木林や水田の周辺の湿地や草地などが主な発生地で、幼虫の食草は主にカヤツリグサ科のスゲ類である。年1化性で、成虫は6月下旬〜8月頃に見られ、夕方活発に飛翔する。2〜3齢幼虫で越冬する。 |
生息地の現状 |
府内では南部地域に局地的な発生地があるが、個体数は多くない。 |
生存に対する脅威 |
開発や道路拡張などによって、発生地が破壊されたり、消滅することが心配される。 |
必要な保全対策 |
現在わかっている発生地とその周辺の環境を保全するとともに、開発等によって破壊されることがないよう、監視する必要がある。 |