選定理由 |
極めて稀な種で、日本で2ヶ所の記録しかない。自然度が高く、比較的広い河川の周囲でのみ発見され、環境指標性が高い。 |
形態 |
ハラキンミズアブにごく似た、小型で金属光沢をもつ美しい種。近似種とは触角の形状および後脛節の色彩で区別する。 |
分布 |
日本では鹿児島県と京都府(八幡市)の2ヶ所からのみ。中国大陸にも分布。 |
生態的特性および生息地の現況 |
生態は不明。近縁のハラキンミズアブは広く分布し、かなり多様な環境で発見され、個体数も多い。これに対して、本種は川岸のみで採集され、この環境に固有と思われる。今回の調査ではじめて、木津川河岸の自然度の高いヨシ群落の周辺から少数の個体が採集された。この周辺は、遊歩道や駐車場等河岸の整備が進み、草刈りも行われ、生息環境の悪化が懸念される。 |
必要な保全対策 |
少なくとも人が立ち入る個所と自然状態の個所を明瞭に区分し、後者を十分に保護する施がとられる必要がある。 |