選定理由 |
府内には広く分布するが、産地が局地的で、減少していると考えられるため。 |
形態 |
腹長18〜24mm、後翅長12〜17mm。オスは体の前半分が黄緑色で黒斑がある。また成熟しても白い粉で覆われることはない。未熟なメスは全身がオレンジ色だが、成熟すると緑色に変わり、腹部背面に黒条ができる。
◎近似種との区別
ヒヌマイトトンボとは頭部の斑紋の違いなどで区別できる。 |
分布 |
北海道(南部)、本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
中部地域(日吉町・丹波町)、南部地域(京都市・宇治市・相楽郡)に分布するが、局地的。
◎近似種との比較
ヒヌマイトトンボは久美浜湾の一部だけで見つかっている。 |
生態的特性 |
背丈の低い湿性植物が生えた水深の浅い湿地や池沼・水田に限り生息している。成虫は6〜8月に見られる。産卵はオスが単独で行い、水面近くのセリなどの植物の組織内に産卵する。 |
生息地の現状 |
里山の開発や土地改良などによって、生息地が失われ、近年見られなくなっている。 |
生存に対する脅威 |
開発などによる環境破壊や廃田の草原化。 |
必要な保全対策 |
現存する生息地の保全と、継続調査が必要である。 |