昆虫類
蜻蛉(トンボ)目 イトトンボ科
蜻蛉(トンボ)目 イトトンボ科
モートンイトトンボ
Mortonagrion selenion (Ris, 1916)
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 |
---|---|
2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 準絶滅危惧(NT) |
選定理由 | 府内には広く分布するが、産地が局地的で、減少していると考えられるため。 |
---|---|
形態 | 腹長18.0~24.0mm、後翅長12.0~17.0mm。オスは体の前半分が黄緑色で黒斑がある。また成熟しても白い粉で覆われることはない。未熟なメスは全身がオレンジ色だが、成熟すると緑色に変わり、腹部背面に黒条ができる。 ◎近似種との区別 ヒヌマイトトンボとは頭部の斑紋の違いなどで区別できる。 |
分布 | 北海道(南部)、本州、四国、九州。 ◎府内の分布区域 中部地域(南丹市日吉町、京丹波町)、南部地域(京都市、宇治市、相楽郡)に分布するが、局地的。 ◎近似種との比較 ヒヌマイトトンボは久美浜湾の一部だけで見つかっている。 |
生態的特性 | 背丈の低い湿性植物が生えた水深の浅い湿地や池沼・水田に限り生息している。成虫は6~8月に見られる。産卵はメスが単独で行い、水面近くのセリなどの植物の組織内に産卵する。 |
生息地の現状 | 里山の開発や土地改良などによって、生息地が失われ、近年見られなくなっている。 |
生存に対する脅威 | 開発などによる環境破壊や廃田の草原化。 |
必要な保全対策 | 現存する生息地の保全と、継続調査が必要である。 |
文献 石田ほか(1988)、関西トンボ談話会(1984)、杉村ほか(1999)
執筆者 藤井恒