選定理由 |
全国的希少種であるが、冠島には比較的多い。 |
形態 |
大型種で体長19〜24.5mm。強固で細長く長紡錘形に近く肥厚し艶消し状。黒色で触覚と脚部は赤褐色。体毛は白色で僅かに褐毛色を混生、細長く直毛で密。触角は短く第4節から顕著な鋸歯状。前頭溝は中央で完全に消失、上唇後縁と融合。前胸背板点刻は頭部のものより浅く疎で、点刻間は微細鮫肌状構造で艶消し状。上翅条線は浅い溝状で間室は平坦平滑で微小点刻を密布。会合線末端は互いに矢筈状に開き先端は鋭利に突出。前胸腹板突起の先端下面が単純で段刻はない。
◎近似種との区別
オオクロナガコメツキ( Elater niponensis (Lewis))に似るが、これは紡錘形状で圧平され、前胸腹板突起の先端下面に明瞭な段刻をもつ。 |
分布 |
青森から長崎まで広く分布するが何れでも少ない。オオクロナガが比較的寒地に多いのに反し、本種は暖地に適応した種のようである。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)、南部地域(京都市・乙訓地域)から知られ、舞鶴市の冠島で比較的多い個体が得られている。 |
生態的特性 |
夏季以降に燈火に来集したものが採集されている。幼虫はブナ等の大木の朽木中の多湿木質部で生活するようである。 |
生息地の現状 |
照葉樹林帯に好んで生息するようなので、この状態が維持されるなら安定であろう。 |