鞘翅(コウチュウ)目 コメツキムシ科
ヒメクロナガコメツキ
京都府カテゴリー | 要注目種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 全国的希少種であるが、冠島を含めて舞鶴市では比較的多くの標本が得られた。 |
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形態 | 大型種で体長19.0~24.5mm。強固で細長く長紡錘形に近く肥厚し艶消し状。黒色で触覚と肢部は赤褐色。体毛は白色でわずかに褐毛色を混生、細長く直毛で密。触角は短く第4節から顕著な鋸歯状。前頭溝は中央で完全に消失、上唇後縁と融合。前胸背板の点刻は頭部のものより浅く疎で、点刻間は微細な鮫肌状構造で艶消し状。上翅条線は浅い溝状で間室は平坦平滑で微小点刻を密布。会合線末端は互いに矢筈状に開き先端は鋭利に突出。前胸腹板の突起の先端下面が単純で段刻はない。 ◎近似種との区別 オオクロナガコメツキElater niponensis(Lewis)に似るが、これは紡錘形状で圧平され、前胸腹板の突起の先端下面に明瞭な段刻をもつ。 |
分布 | 青森県から長崎県まで広く分布するが何れでも少ない。オオクロナガコメツキが比較的寒地に多いのに反し、本種は暖地に適応した種のようである。 ◎府内の分布区域 舞鶴市(冠島、アンジャ島、高野台)、京都市左京区(花背、鞍馬山)から記録され、絶滅を危ぶむ状態にはないと判断した。 |
生態的特性 | 夏季以降に灯火に来集したものが採集されている。幼虫はブナ等の大木の朽木中の多湿木質部で生活するようである。 |
生息地の現状 | 照葉樹林帯に好んで生息するようなので、この状態が維持されるなら安定であろう。 |
改訂の理由 | 冠島を含めて舞鶴市では近年もまれならず得られた。 |
文献 Kishii(1987、1999)、Lewis(1894a)、Suzuki(1985)
執筆者 岸井尚(修正:水野弘造)