選定理由 |
分布は局所的で、タイプ産地は京都市深泥池である。深泥池では1981年にタイプ標本が採集されて以後には生息記録はない。 |
形態 |
開翅長約12mmのツトガ科ミズメイガ亜科の中でも小型の種で、斑紋は黄褐色と黒の筋模様を呈する。 |
分布 |
日本で3ヶ所(京都府、滋賀県、愛知県)しか知られていない。
◎府内の分布地域
深泥池以外には分布していない。 |
生態的特性 |
イネコミズメイガに近縁の本種幼虫は水草の1種を寄主としている可能性が高いが、寄主と生活史は不明である。 |
現状 |
今回の調査では深泥池では発見できなかったので、個体数がかなり減少したか、絶滅した可能性もある。しかし、滋賀県には、最近執筆者によって分布が確かめられた生息池がある。 |
生存に対する脅威 |
一般に本属の幼虫は気管鰓で水中の溶存酸素を取り入れるため、水質の悪化には極めて敏感である。 |
必要な保全対策 |
本種と同じような環境に生息する湿地性の蛾類として、イネコミズメイガParapoynx vittalis(Bremer)、ソトキマダラミズメイガElophila diffulualis(Snellen)が知られ、これらの種の個体数も減少しているので、これらを含めて、湿地の改変や埋め立てには注意を払う必要がある。 |