選定理由 |
タイプ産地が京都であるにもかかわらず、永年にわたり再確認できず、最近やっと生存確認がなされた。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(IV)[保育社、1984]、第13図版、図21を参照。体長23〜27mm、日本で最大のトラカミキリである。 |
分布 |
千島、北海道、本州、四国、九州に局所的に分布。
◎府内の分布区域
美山町芦生演習林、左京区大悲山。 |
生態的特性 |
モミなどの針葉樹を食樹とすることはかなり以前から推定されていたが、飼育して実証されたのは比較的近年のことである。日本産トラカミキリの最大種かつ最稀種の一つとみなされてきたが、タイプ産地は京都であった。 |
生息地の現状 |
原記載以後、府内からは長年再記録されていなかったが、芦生演習林、左京区大悲山、などより最近標本が得られ、府内においてもモミの自生地における分布が確認された。しかし天然のモミそのものが府内では数少ないため、絶滅寸前状態と危惧される。 |
生存に対する脅威 |
里山における広葉樹林の減少が憂慮されているが、天然モミの減少は府内においてはさらに深刻であり、本種の絶滅があるとすれば、これ以外の要因はほとんど考慮しないでよい。 |
必要な保全対策 |
天然モミの保存木指定など、伐採禁止の法制化あるいは積極的なモミの植栽などによる増殖策の導入。 |
その他 |
日本固有種 |