昆虫類
鞘翅(コウチュウ)目 カミキリムシ科
鞘翅(コウチュウ)目 カミキリムシ科
オオトラカミキリ
Xylotrechus villioni (Villard, 1892)
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
---|---|
2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | タイプ産地が京都であるにもかかわらず、永年にわたり再確認できず、およそ一世紀を経てやっと生存確認がなされた。 |
---|---|
形態 | 日本産カミキリムシ(東海大学出版会 2007)PL. 33、No. 1-3、原色日本甲虫図鑑(IV)(保育社 1984)PL. 13、No. 21を参照。体長23.0~27.0mm、日本で最大のトラカミキリである。 |
分布 | 千島、北海道、本州、四国、九州に局所的に分布。 ◎府内の分布区域 南丹市美山町京都大学芦生研究林、左京区大悲山。 |
生態的特性 | モミなどの針葉樹を食樹とすることが判明して以来、食害枝を採取して飼育し羽化させることが実施されている。 |
生息地の現状 | 芦生研究林、左京区大悲山などより標本が得られ、府内においてもモミの自生地における分布が確認された。しかし天然のモミそのものが府内では数少ないため、絶滅寸前状態と危惧される。 |
生存に対する脅威 | 府内では天然モミの減少がきわめて深刻であり、本種の絶滅があるとすれば、これ以外の要因はほとんど考慮しないでよい。 |
必要な保全対策 | 天然モミの保存木指定など、伐採禁止の法制化あるいは積極的なモミの植栽などによる増殖策の導入。 |
その他 | 日本固有種 |
文献 岩田ほか(1993)、京都昆虫研究会(1991)、内藤(1998)、大林、新里(編)(2007)
執筆者 水野弘造