選定理由 |
複眼と後翅の退化した地下水生ゲンゴロウ。本種を含むメクラゲンゴロウ属は近畿と四国に固有であり、学術上たいへん貴重である。いずれの種類も上水道の普及にともなって、ほとんど採集されなくなった。京都府においても1960年代以降は再確認されていない。 |
形態 |
体長2.6〜2.9mm。体は淡黄褐色で半透明。複眼と後翅は消失している。前胸背板と上翅の側縁には長い細毛を、また、後脚には遊泳毛を備える。 |
分布 |
京都府、兵庫県(柏原町)から記録がある。原亜種は兵庫県(姫路市、太子町、揖保川町)から記録された。また、1996年には、近縁の2新種が高知県から記載された。
◎府内の分布区域
京都市右京区嵯峨、左京区下賀茂、福知山市。 |
生態的特性 |
地下水中に生息し、くみ上げられた井戸水の中から稀に発見される。活動はムカシゲンゴロウに比べると活発との報告がある。 |
生息地の現状 |
嵯峨天竜寺の境内の井戸では1950年代にムカシゲンゴロウとともに多数得られたが、その後はまったく報告されていない。現在ではその井戸は存在しないため生息の確認は困難である。姫路市では1992年に再発見されているので、府内でも井戸さえ残っていれば再発見される可能性はある。 |
生存に対する脅威 |
地下水の枯渇や汚染。 |
その他 |
日本固有種 |