選定理由 |
京都府では1ヶ所しか産地が知られていないため。 |
形態 |
腹長22〜25mm、後翅長13〜16mmの小型種。オスは黄緑色に黒い条紋があり、眼後紋が4個あって、翅胸前面にも4個の黄緑色紋が並んでいる。メスは明るい橙色で頭頂に五角形の黒斑がある。成熟すると地色は褐色に変化する。
◎近似種との区別
オスは翅胸前面に4個の黄緑色紋が長方形に並ぶ。メスは頭頂に五角形の黒斑がある。 |
分布 |
本州、対馬。
◎府内の分布区域
北部地域。久美浜湾の一部のみで生息が確認されている。 |
生態的特性 |
海岸沿いの、ヨシなどの抽水植物が繁茂する汽水域のヘドロが堆積した湿地や、河口付近の
ヨシ原などが主な生息地。汽水域でしか発見されていない特異なトンボである。5月下旬〜
9月下旬に発生する。産卵はメスが単独で行い、水面にあるヨシの枯れ茎などの植物組織内
に産卵する。
◎近似種との比較
モートンイトトンボは府内全域に局地的に分布していると思われるが、
汽水域には生息できないので混生しない。
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生息地の現状 |
生息地では比較的安定して発生しているが、非常に狭い範囲であるため、生息地の保全が必要である。 |
生存に対する脅威 |
開発や道路の拡張工事などで生息地が失われる危険がある。また、水質が変化すると生息ができなくなる。 |
必要な保全対策 |
生息地とその周辺の抽水植物群落の保全を行うとともに、生息地の水質を維持していかなければ、近い将来絶滅する可能性がある。 |