選定理由 |
残された標本により過去の生息地は全国的に広範であったと思われるが、府内では2例が確認されたのみ。現在も関東や九州の一部で局所的に本種の採集される場所があるようであるが、大麻が野生化して残っているのか、本種が食草転換に成功してアサ以外の植物での繁殖が可能になったのか、不明である。もしも後者とすれば、分布域の拡大とともに、府内において再び本種の姿を見る日が来るかもしれない。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(IV)[保育社、1984]、第27図版、図20を参照。黒色で黒褐色の微毛を背面に、上翅の縫合線と側縁に灰白色の縦条をもつ。 |
分布 |
本州、四国、九州に分布。
◎府内の記録
美山町京都大学芦生演習林、7.vii.1951.岸井 尚・採集。京都市東山、v.1942.横山 創・採集。 |
生態的特性 |
全国的に大麻の栽培が禁止されて以降、それまで普通種であった本種が急速に姿を消し、府内においては絶滅したものと見られる。府内で得られた標本として確認できたものも上の2例に過ぎない。この2例も採集者によればアザミから得た由で、府内生存時も成虫は食草としてアザミを攝取していたことが明らかであるが、アザミによる繁殖はできなかったもののようである。 |