選定理由 |
滋賀県から記載された種で、近畿地方の数カ所から記録されたが、戦後まったく採集されなくなったことから絶滅したものと思われていた。1990年頃、新潟県や石川県で再発見されたことをきっかけに各地の調査が進んだが、京都府からは再発見に至っておらず、絶滅したものと判断される。 |
形態 |
原色日本甲虫図鑑(II)[保育社、1985]、第36図版、図7を参照。28〜33mm。オスは長卵型で、背面は緑味を帯びた黒褐色。頭楯、前胸背板側縁、上翅側縁は黄色。頭部中央後方には暗赤色の三角形の紋を備える。前節、中節は基部3節が広がり、吸盤を形成する。メスは卵形で、色彩はオスと同様であるが、上翅中央から後方にかけて、各10条の深い縦溝を常に備える。原亜種はメスの上翅の条溝が短いか、あるいはほぼ消滅することにより区別される。 |
分布 |
京都府、新潟県、佐渡島、富山県、石川県、福井県、愛知県、滋賀県、大阪府、島根県。原
亜種は東京都、千葉県、神奈川県に産する。
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生態的特性 |
平地〜低山地の池沼、休耕田、水田脇の水路などの泥深い場所に好んで生息する。泳ぎはナミゲンゴロウなどに比べるとゆるやか。夜間、灯火に飛来した例も報告されている。 |
生息地の現状 |
京都市北区深泥池産の1918年の標本が残っているが、それ以降の採集例は報告されていない。府内では絶滅したものと判断される。 |
その他 |
日本固有種 |