選定理由 |
かつては平地の池沼に普通に見られた水生甲虫であるが、圃場整備等による池沼の消滅、改修、農薬の流入による水質悪化などにより減少し、近年まったく見られなくなった。府内においてもここ数10年まったく記録がなく、絶滅したものと考えられる。 |
形態 |
体長24〜29mm。体は長卵型で扁平。背面は緑色あるいは褐色を帯びた黒色で、光沢がある。前胸背と上翅の側縁は黄色。腹面は暗赤褐色。オスの前節の基部3節楕円形に広がり、吸盤状となる。 |
分布 |
本州、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島。国外では台湾、中国大陸、朝鮮半島。 |
生態的特性 |
水生植物の多い池沼、休耕田などに生息する。成虫は夜間灯火にも飛来する。かつては各地の平地に普通に見られたようであるが、近年は南西諸島以外では極めて稀になった。 |
生息地の現状 |
1939年の報告によると京都市に普通に見られたとあるが、ここ数10年まったく記録がない。クロゲンゴロウやナミゲンゴロウが今なお生息している場所でも、本種が再発見されないことから、絶滅したものと判断される。 |