鞘翅(コウチュウ)目 ゲンゴロウ科
コガタノゲンゴロウ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類(VU) |
選定理由 | かつては京都市内にも普通だった水生甲虫であるが、近年まったく姿を消した。府内全般に同様と考え絶滅したものとしたが、新聞報道(2011年)によって南山城村にて生息が確認され、飼育されている由、さらに調査が望まれる。 |
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形態 | 原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 1985)第36図版、図4、図説日本のゲンゴロウ(環境科学(株) 1993)No. 110を参照。体長24.0~29.0mm。体は長卵型で扁平。背面は緑色あるいは褐色を帯びた黒色で、光沢がある。前胸背と上翅の側縁は黄色。腹面は暗赤褐色。オスの前節の基部3節は楕円形に広がり、吸盤状となる。 |
分布 | 本州、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島。国外では台湾、中国大陸、朝鮮半島。 ◎府内の分布区域 南山城村。 |
生態的特性 | 水生植物の多い池沼、休耕田などに生息する。成虫は夜間灯火にも飛来する。近年は南西諸島以外ではきわめてまれになった。 |
生息地の現状 | 1939年の飯田の報告によると京都市に普通とあり、当時の古い標本が大阪市立自然史博物館にも保管されている。 |
生存に対する脅威 | 府内の山村僻地を再調査する必要がある。 |
必要な保全対策 | 水生植物の豊富な湿地環境の維持保全。 |
改訂の理由 | 南山城村で新たに確認、飼育中との新聞報道がなされた。 |
文献 飯田(1939)、森、北山(1993)、読売新聞(山城版,23.ix.2011)
執筆者 芦田久(補筆:水野弘造)