選定理由 |
石灰洞(鍾乳洞)の内部の湿潤な壁面という特殊な環境に生息し、府内の既知の生息地は1ヶ所のみである。 |
形態 |
殻はタニシ形で殻高約2mm。殻は薄く、若い生きた個体ではほとんど無色・半透明で、目立った色素斑のない軟体部が透けて見えるが、死殻は白色・不透明となる。タニシ形の微小貝はいくつかあるが、本種のように薄い無色・半透明の殻を持つものはない。 |
分布 |
本州以南、南西諸島まで知られているが、生息環境は石灰洞(鍾乳洞)の内部に限定され、府内では、中部地域(瑞穂町)の鍾乳洞内1ヶ所で確認されているのみである。 |
生態的特性 |
石灰洞の内部の湿った壁面というきわめて特殊な環境に生息する。生きた個体は半透明で見つけにくいのに対し、死殻は白色・不透明であるためよく目立つ。 |
生息地の現状 |
既知の石灰洞内は近年観光化され、散策経路沿いの壁面でもまだ生息が確認できるが、府外の他の生息地同様、個体数は多くない。石灰洞内という非常に特殊な環境に進出した貝類として、その学術的意義は高い。 |
生存に対する脅威 |
石灰洞内は特殊ではあるが非常に安定した環境条件であるために、そうした環境に適応した本種は、環境の微妙な変化にも敏感に影響を受ける可能性がある。 |
必要な保全対策 |
洞内の環境変化に関わる事業等を行う際には、特別の配慮が必要である。 |
その他 |
日本固有種 |