選定理由 |
最近急速に減少してきている。 |
形態 |
子実体はニイニイゼミの幼虫より発生し、地上生で橙黄色〜赤褐色、径4〜6mmの棍棒状で頭部がわずかに膨らみ、子実部となる。子実部表面に微細な胞子果の孔口がある。子のう胞子果は完埋生型。柄の基部は濃色となり寄主の頭部に連なる。
◎近似種との区別
子実部と柄部が共に白色のものはシロセミタケと呼ぶ。ヒグラシの幼虫から子実体を出すのはヒグラシタケ( C. sobolifera var. takaomontana Kobayasi)といいセミタケの1品種である。また、胞子果の孔口がわずかに突出しているものをトサノセミタケと呼んで区別している。寄主がアブラゼミの幼虫で、全体が綿状の白色菌糸で覆われているものはシロマキセミタケ(アシブトセミタケ)と呼び、宇治市や大津市などで見られる。 |
分布 |
栃木県以南に発生するという(清水大典氏)。中国大陸、南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、スリランカ、マダガスカル。
◎府内の分布区域
京都市内全般の社寺境内。特に北白川天神、鞍馬山門前、下鴨神社、岩倉、吉田山、宝ヶ池、八瀬(左京区)、京都御苑(上京区)、清水山(東山区)、舞鶴市。 |
生態・脅威 |
ニイニイゼミの羽化間近の幼虫から発生する。京都全般の寺社境内に普通であったが、近年(2000年夏より)急速に市内から見られなくなった。寺社の森には変化が見られないが、寄主ニイニイゼミが少なくなったのか不明。(セミガラ調査によるとニイニイゼミが減少してきたと予想されている。) |