選定理由 |
比較的広く分布するが、それぞれの生育場所での個体数は極めて少ない。京都市内では絶滅したと考えられる。 |
形態 |
幼菌(菌蕾)は卵形。表面は平滑、白色、基部に太い根状菌糸束をつける。成熟すると菌蕾の頂部がやや尖り、裂開して子実体を抽出する。傘の基本体は暗緑色の粘液である。菌網(マント)は黄色〜淡黄色、細かい網目で長く地面に接するほど伸長し、華麗で人目をひく。
◎近似種との区別
竹林に発生するキヌガサタケは本種に比べて多産し、菌網と柄が白色である。傘が橙色でマントが橙黄色、柄の上部が淡紅色のD.multicolorはジャワ・スマトラ・ボルネオの各島、オーストラリアなどに産する。 |
分布 |
京都府、広島県、徳島県、高知県、愛媛県、福岡県、大分県、熊本県、宮崎県の各府県。(広島県では1979年以降急速に減少している。宮崎県では比較的多いという)。韓国、台湾、スリランカ(?)。
◎府内での分布区域
清水山(東山区)で1965年前後に発見されているが、標本はない。その後の発見はなく、京都市域では絶滅したと推定している。 |
生態的特性 |
広島県での発生状況を見ると、5〜7月と9月頃の二度発生する。今までの観察では梅雨期前後に多く発生している。発生場所はヤブニッケイ、ヤブツバキ、カギカツラ、アラカシ、スギなどからなる雑木林である。伸長後1〜2日でしおれる。 |
現状・対策 |
現状は不明。一般的には自然林の涵養が必要であろう。 |
その他 |
日本固有種? |