選定理由 |
広範囲に分布するが発生が極めて稀で、近年府内からは発生の報告がない。 |
形態 |
傘は径2〜5cm、丸山形、表面には短絨毛があって裏皮状、灰褐色、肉は淡褐色、ふれるとすぐ青変する。管孔部は黄色、孔口は角形で径約1mm、柄は円柱状、表面はつやなく上部は黄色、下方に向かって次第に灰褐色となり、基部はツチグリ( Astaeus hygrometricus Morgan)の幼菌につながる。胞子は円筒形、淡黄色、9〜11×4〜5.5μm。
◎近似種との区別
中国にはツチグリから発生し、青変性のないXerocomus astraeicolosis Ying.が産する。欧米にはXerocomus parasiticus(Fr.)Quel.があるが、寄主がニセショウロ( Scleroderma citrinum Pers.)である。 |
分布 |
福島県、東京都、京都府、鳥取県、徳島県、福岡県、大分県、熊本県、韓国慶州。
◎府内の分布区域
北桑田郡美山町京都大学芦生演習林(1968)での記録のみ。 |
生態・保全対策 |
胆子菌類の腹菌種、ツチグリ( Astaeus hygrometricus Morgan)の子実体を寄主として発生する。ツチグリは山裾の土質の崖などに普通に見られるが、タマノリイグチが発生していることは稀。ツチグリが発生するような環境を保全することが必要である。 |
その他 |
日本固有種 |