選定理由 |
1990年代以降、生存が確認されたのは京都府内で4ヶ所。過去の標本採集例から見れば大きく減少している。 |
形態 |
湿地や溜池、河川敷の水溜まりなどにはえる大型の多年草。叢生し大株となる。茎は高さ1〜1.5m、太くて硬く鈍3稜形。頂生の花序は大きく長さ5〜10cm。苞は葉状、下方のものは花序より長い。小穂は楕円形、長さ4〜5mm、10〜20個が集まって球状の集団となる。鱗片は狭卵形、長さ3mm、幅0.7mm。果実は狭倒卵形、長さ1mm、刺針状花被片は5〜6本、糸状で果実より長い。
◎近似種との区別
コマツカサススキがやや似ているが、マツカサススキの花序はより大きく、球状の集団も多い。小穂の鱗片はコマツカサススキの方が広く幅1〜1.2mm。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.354,日本の野生植物I:178頁 |
分布 |
本州、四国、九州。
◎府内の分布区域
北部地域、中部地域、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発。溜池の埋め立てや改修。河川の改修。湿地や溜池は埋め立てることによって容易な開発が可能で、目立つ花をつけないカヤツリグサ科やイネ科などの植物はまっ先に犠牲となることが多い。 |
必要な保全対策 |
湿地開発、溜池の埋め立て及び改修、河川改修や河川敷の開発などに先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで諸開発の適否を判断すべきである。 |
その他 |
日本固有種 |