種子植物 カヤツリグサ科
マツカサススキ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
---|---|
2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種C |
選定理由 | 1990年代以降、生存が確認されたのは京都府内で6か所。過去の標本採集例から見れば大きく減少している。 |
---|---|
形態 | 湿地や溜池、河川敷の水溜まりなどにはえる大型の多年草。叢生し大株となる。茎は高さ1~1.5m、太くて硬く鈍3稜形。頂生の花序は大きく長さ5~10cm。苞は葉状、下方のものは花序より長い。小穂は楕円形、長さ4~5mm、10~20個が集まって球状の集団となる。鱗片は狭卵形、長さ3mm、幅0.7mm。果実は狭倒卵形、長さ1mm、刺針状花被片は5~6本、糸状で果実より長い。コマツカサススキがやや似ているが、マツカサススキの花序はより大きく、球状の集団も多い。小穂の鱗片はコマツカサススキの方が広く幅1~1.2mm。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)178、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)217、日本カヤツリグサ科植物図譜(平凡社)658-659 |
分布 | 本州、四国、九州。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域、中丹地域(現状不明)、南丹地域、京都市域(現状不明)、乙訓地区、山城地域。 |
生存に対する脅威 | 湿地の開発、溜池の埋め立てや改修、河川の改修。湿地や溜池は埋め立てることによって開発が容易で、目立つ花をつけないカヤツリグサ科やイネ科などの植物はまっ先に犠牲となることが多い。 |
必要な保全対策 | 湿地開発、溜池の埋め立ておよび改修、河川改修や河川敷の開発などに先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで諸開発の適否を判断すべきである。 |
その他 | 日本固有種 |
執筆者 津軽俊介、赤松富子