選定理由 |
産地局限。童仙房4番(竹内, 1962)とあるのが京都府内唯一の記録である。なお、大本花明山植物園には福知山市で採集された標本(2000.5.8)があり、これが府内2番目の産地である。 |
形態 |
山地林下にはえる多年草で地下茎がある。茎は高さ5〜12cm。やや軟弱、疎らに軟毛がある。葉は狭披針形、幅10mm内外、両面と縁に毛がある。基部の鞘は無葉身、淡紫褐色。小穂は3〜5個、互いに隔離し直立。頂小穂は雄性、側小穂は卵球形、長さ4〜8mm、雌雄性で頂部に少数の雄花がある。果胞は直立または斜上し楕円状倒卵形、長さ3.5mm、3稜形、多脈、多毛。
◎近似種との区別
タガネソウが似ているが、茎は高さ10〜40cm。小穂は長さ10〜20mm。果胞は無毛。ササノハスゲも姿が似ているが小穂は球状となる。
◎参照 日本スゲ属植物図譜:202頁,原色日本植物図鑑草本編III:295頁,日本の野生植物I:154頁 |
分布 |
本州(中部地方以西)、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)、南部地域(相楽地域)。 |
生存に関する脅威 |
山地の開発、林道の拡幅や新設。 |
必要な保全対策 |
開発や林道の拡幅・新設に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |