選定理由 |
過去8ヶ所の産地が記録されているが、最近、標本の採集や生存の確認情報はない。大本花明山植物園所蔵標本では、最も新しいのが1973年、亀岡市で採集されたものである。 |
形態 |
平地の日当たりのよい畑地、芝地、荒地などに叢生する小型で繊細な1年草。茎は糸状で高さ8〜30(40)cm、基部に少数の葉がある。疎らな散房花序で数本の枝を分け、まばらに小穂をつける。苞は殆ど発達しない。小穂は卵状長楕円形、長さ3〜5mm、幅1.5mm、熟して帯栗褐色。鱗片は栗褐色で鋭頭。果実は広倒卵形で3稜があり、面には微細な皺状の点がある。
◎近似種との区別
同属のハタガヤは花序が半球形の頭状で径7〜15mm。熟しても錆色を帯びた黄色。イトテンツキはイトハナビテンツキの花序が分枝せず頭状に短縮したもの。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.395,日本の野生植物I:173頁,京都植物26(2):5頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、琉球、台湾、朝鮮半島、中国大陸。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)、中部地域、南部地域。 |
生存に関する脅威 |
最も開発の手がのびやすい立地にはえ、宅地化、道路新設の犠牲になりやすい。農地における農薬使用も大きな脅威である。 |
必要な保全対策 |
開発や道路の敷設に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |