選定理由 |
過去においてもやや稀であったが、1960年代末以降激減し、めったに見られなくなった。和知町の長老ケ岳(竹内, 1962)とあるのが京都府内唯一の記録である。 |
形態 |
山地林下にはえる多年草。植物体は高さ15〜55cm、普通葉を1枚つける。小葉はふつう5、稀に7、狭卵形、卵形、倒卵形、楕円形で鋭頭または鋭尖頭、長さ6〜20cm、幅1.5〜10cm。仏炎苞は黄緑色から緑色、光沢があり、長さ8〜13cm、隆起する白条があり、舷部は卵形、鋭頭。附属体は黄緑色〜緑色、棒状ときに先が頭状、幅2〜4.5mm。
◎近似種との区別
本種と変種関係にあるアシウテンナンショウは、仏炎苞が大きく長さ11〜15.5cm、褐紫色で白条または淡緑色の条がある。棒状の附属体の先は太く幅6〜8mm。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:201頁,日本の野生植物I:132頁 |
分布 |
北海道、本州(福井県以北の日本海側に多い)、九州北部、サハリン(樺太)(南部)、朝鮮半島。
◎府内の分布区域
北部地域、中部地域。 |
生存に関する脅威 |
山地の開発。林道の拡幅や新設。マニアによる園芸採取。 |
必要な保全対策 |
山地開発、林道の拡幅や新設に先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで工事の適否を判断すべきである。園芸用採取の禁止。 |