選定理由 |
過去現在を通じて標本の採集例が極めて少ない。村田:近畿地方植物誌41(2000)21頁に童仙房とあるのが京都府内唯一の記録である。なお、大本花明山植物園には亀岡市で採られた標本(1964年)が保管されている。 |
形態 |
湿地にはえる小さな1年草。稈は高さ5〜30cm。全草に微細な腺点がある。稈は多くは直立。葉は狭披針形で長さ2〜7cm、幅2〜4mm、縁には腺点と基部が膨らんだ長毛が疎らにはえる。円錐花序は線形直立、長さ3〜7cm、隙間なくつく小穂のため、見かけは穂状。小穂は1小花、長さ2〜2.2mm、赤紫褐色で光沢がある。
◎近似種との区別
同属のネズミノオは花序が15〜40cmもあり壮大である。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:339頁,日本の野生植物I:103頁,日本イネ科植物図譜:496頁,改訂・近畿地方の保護上重要な植物:No.3213 |
分布 |
本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸。
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域(相楽地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発。農道の新設、溜池の埋め立て。 |
必要な保全対策 |
湿地開発や溜池の埋立て及び改修、農道の拡幅や新設に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |