選定理由 |
過去現在を通じて標本の採集例が少なく、近年では大江町(標本)と京都市からの報告(乙訓の自然を守る会,1999)86頁があるのみである。 |
形態 |
低山の草地にはえる大型多年草で長い地下茎がある。叢生し稈は直立、高さ1m前後。葉は長さ15〜40cm、幅8〜15cm。円錐花序はほぼ直立、長さ15〜25cm、枝は斜上し節ごとに数本、主軸とともに平滑。花序の枝の上半部に有柄と無柄の小穂が対となってつく。小穂は長さ5mm、苞穎は長毛を布きともに小穂と同長。護穎は膜質、深く裂けた裂片の間から太い芒がでる。芒は長さ7〜12mm、途中で捩れ屈曲。
◎近似種との区別
一見ミヤマアブラススキが似るがこれは地下茎が短く、葉は披針形〜線状披針形で長さ7〜20cm。円錐花序の長さはほぼ10cm。小穂はよりまばらである。アブラススキは花序が点頭、花序の枝は深く下垂する。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:386頁,日本の野生植物I:94頁,日本イネ科植物図譜:664頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸、シベリア。
◎府内の分布区域
北部地域、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
林道の拡幅や新設。山地開発。 |
必要な保全対策 |
林道の拡幅や新設および山地開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |