選定理由 |
過去、標本の採集例が限られ、近年は、京大芦生演習林内の三国岳で標本が採られた以外、採集や確認の情報はない。 |
形態 |
温帯の山地林下にはえる多年草。鱗片に覆われた長い地下茎がある。稈は基部から直立し高さ60〜100cm。葉は長さ7〜12cm、幅3〜7mm、両面がざらつく。円錐花序は長さ20cm内外。小穂は灰緑色、披針形で長さ3〜3.5cm、鋭頭、1小花からなる。苞潁は同形同長で鋭尖頭。長さ3〜4mmの真っすぐな芒がある。
◎近似種との区別
全体コシノネズミガヤ(京都府カテゴリ−絶滅寸前種)に酷似するが、葉はより細く、花序も細い。苞潁もより細い。コシノネズミガヤの芒は小穂と同長であるが、ミヤマネズミガヤでは小穂の1.5〜2倍あり5〜10mmに達する。なお、コシノネズミガヤとミヤマネズミガヤを区別しない説(北村・村田・小山,1998)もある。
◎参照 日本の野生植物I:103頁,京都植物25(6):6頁,日本イネ科植物図譜:514頁,原色日本植物図鑑草本III:338頁 |
分布 |
千島列島(南部)、北海道、本州。
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
林道の拡幅や新設。登山道の改修。山地の開発。 |
必要な保全対策 |
林道の拡幅や新設、山地開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |