選定理由 |
過去においても標本の採集例が少なく、近年では、丹後海岸近くの砂地に群生するほか、確認情報は少ない。 |
形態 |
河原や海沿いの砂質土、平地から低山の向陽草地にはえる多年草。地下茎を引きしばしば群生する。稈は直立し高さ20〜50cm。葉身は披針形、長さ1〜4cm、幅3〜7mm。根生葉は線形、長さ10〜30cm。円錐花序は長さ4〜8cm。枝は数本、淡黄褐色で光沢のある小穂を数個つける。小穂は長さ幅ともに4〜6mm、3小花からなる。苞潁は卵円形で膜質1〜3脈。乾けばクマリンの香気がある。
◎近似種との区別
本属にはコウボウのほか、ミヤマコウボウ、エゾノコウボウなどがあるが、いずれも高山や北海道など産地が限られ、平地や低山にはえるものはコウボウだけである。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:347頁,日本の野生植物I:118頁,日本イネ科植物図譜:268頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、千島、サハリン(樺太)、シベリア。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)、中部地域、南部地域(山城中部地域)。 |
生存に関する脅威 |
草地の開発。河川改修。海岸の開発。 |
必要な保全対策 |
開発や河川の改修に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |