選定理由 |
本種は全国的には普通種であるが、府内では1991年に発見されるまで未記録の植物であった。現在のところ府内での自生地は2ヶ所のみで、株数は極めて少なく、絶滅が危惧される。 |
形態 |
山の木陰にはえる多年草。茎は高さ40〜60cmになり、やわらかい長毛と短毛を密生する。葉は長い柄があり、基部は卵状心形で、両面に毛がある。花期は8〜9月。花は白色で花弁は2裂する。果実は球形、径3mm、溝があり硬いかぎ状毛がある。
◎近似種との区別
同属のミズタマソウでは葉がほとんど無毛で、基部は心形にならず、果実は広倒卵形であるが、本種では葉に毛が多く、基部は心形、果実は球形である。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:No.77,日本の野生植物草本II:268頁,京都植物23(2):5頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、台湾、朝鮮半島、中国大陸、ウスリー、ヒマラヤ。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)、中部地域。 |
生存に関する脅威 |
森林伐採、土地造成、道路工事などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
森林(スギ植林)の伐採などにともなう林道整備の際には配慮を要する。 |