選定理由 |
広い分布域をもつが、近畿地方では自生地が非常に限られており(府内北部地域と兵庫県淡路島のみ)、現状では絶滅のおそれが高い。 |
形態 |
湿原に群生する多年草。全体に突起状の毛を生ずる。穂状花序は頂生し、多くの花をつける。花期は7〜8月。花弁は6個で紅紫色、雄しべは12個で2輪になり交互に長短がある。
◎近似種との区別
同属のミソハギは茎に毛がなく、葉や苞葉の基部は細まって茎を抱かず、萼裂片間の付属片は横向きに開くが、本種は全体に毛が多く、葉や苞葉の基部は円形をなし半ば茎を抱き、萼裂片間の付属片は直立する。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:49頁,日本の野生植物草本II:261頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、ユーラシア、アフリカ、北アメリカ。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)。 |
生存に関する脅威 |
丹後地域では海岸の岩場で水の浸み出たところに生育しており、海岸開発、湿地開発、土地造成などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
海岸地形の微妙な変化が影響することが考えられるので配慮を要する。 |
特記事項 |
盆花として水田の隅などに栽培されることがある。 |