選定理由 |
近畿地方では生育地が少ない。府内では1994年になって初めて記録されたが、個体数はわずかで、現状では絶滅のおそれが高い。 |
形態 |
山地の林下にはえる多年草。茎は細く、よく分枝して基部は倒れ伏す。茎の上部には葉柄とともに下向きの屈毛と圧毛がある。葉は互生し、掌状に3全裂し、側小葉はさらに2深裂する。花は2個ずつつき淡紅色または白色で径1.2〜1.5cm。花期は8〜9月。
◎近似種との区別
同属でよく似たミツバフウロでは葉が対生し、葉身が3深裂するのに対して、本種では葉が互生し、葉身が3全裂する。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:No.172,日本の野生植物II:218頁,京都植物24(2):4頁 |
分布 |
本州(山形県、宮城県以南)、四国、九州、済州島。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市・乙訓地域)。比叡山の花崗岩地に遺存することがかなり早くから知られていたが、京都府側では未確認のままである。近年西山で生育が確認された。 |
生存に関する脅威 |
森林伐採、土地造成などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
森林内(とくに谷筋)に道路整備や拡張の工事をする際には詳細な調査が必要である。 |