選定理由 |
湿地にはえる1年草。かつては京都府内各地の湿地に珍しくはなかったが、近年、生存の確認情報は殆どない。 |
形態 |
茎は叢生、高さは25〜60cm、幅広い3個の翼がある。葉身は扁平、幅3〜5mm、長さ10〜20cm。花序は頂生または腋生。穂は長さ3cm内外、花はやや多数。果実は球形、径2mm、光沢ある白色で格子状紋がある。
◎近似種との区別
ケシンジュガヤやマネキシンジュガヤは、葉鞘や茎に翼がない。ミカワシンジュガヤの穂は茎の上部に限られ、果実には光沢がない。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.434,日本の野生植物I:169頁 |
分布 |
本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸、インドネシア、インド、アフリカ。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)、南部地域(相楽地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発。農薬の使用。溜池改修。 |
必要な保全対策 |
本種は目立たないため、希少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲となりやすい。湿地・溜池らの開発や改修に先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで諸開発の適否を判断すべきである。 |