選定理由 |
2000年6月、京都府内で初めて(村田・津軽,2001)見いだされたもので、それまで京都府には産しないものと思われていた。産地は京田辺市の山間の小湿地で、細々とした小群落を形成していた。 |
形態 |
日当たりのよい湿地にはえる1年草。叢生。茎は細く高さ20〜40cm、平滑。茎中部に2個と基部には叢生する葉がある。葉は髭状で短く幅0.5mm。葉鞘は赤紫色。花序は少数の散房花序。小穂は披針形、扁平、長さ4〜6mm、血赤褐色、5個位の鱗片をつけ2個内外の花がある。果実は倒卵形、長さ1mm、柱頭は3個、刺針状花被片は6個で果実の約2倍長。
◎近似種との区別
本属は、日本では本種ただ1種を産し、他に似たものはない。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.423,日本の野生植物I:171頁, |
分布 |
本州(千葉県以西)、四国、九州、琉球、マレ−シア、オ−ストラリア。
◎府内の分布区域
南部地域(山城中部地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発。林道の拡幅や新設。 |
必要な保全対策 |
本種の外見はまさに雑草であるため、希少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲になる事態が懸念される。諸開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。 |