選定理由 |
産地が限られる。1991年、亀岡市の溜池の岸辺で発見されたのが京都府産新記録であったが、その後、新産地の情報は全くない。本来の希少種である。 |
形態 |
稀な1年草。茎は細くやや扁平で高さ7〜30cm。秋季、水を落とした池では茎が四方に平伏状となる。葉状の苞は花序より短い。小穂は単生し長楕円状卵形、長さ3〜5mm、熟して橙褐色、柱頭は花後も残り毛のように見える。果実は短円柱形、長さ1mm弱。
◎近似種との区別
九州に分布するハタケテンツキの柱頭は花後に残らない。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.376,日本の野生植物I:174頁,改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物、植物I:605頁,改訂・近畿地方の保護上重要な植物:No.3144,新版山形県植物誌:349頁 |
分布 |
本州(山形県、関東地方、近畿地方)。
◎府内の分布区域
中部地域。ごく稀。 |
生存に関する脅威 |
溜池の改修や埋立て。小形の植物で、目立たないため、希少種と気づかぬまま諸開発の犠牲となりやすい。 |
必要な保全対策 |
溜池の埋立てや改修に先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで諸開発の適否を決定すべきである。 |
特記事項 |
世界中で日本の湿地にだけ見られる貴重な植物である。 |
その他 |
日本固有変種 |