選定理由 |
標本の採集例が極めて少なく、個体数も少ない。村田:近畿地方植物誌36(1995)43頁に淀とあるのが唯一の記録である。近年の確認情報はない。 |
形態 |
シロガヤツリに似て高さ3〜20cm。秋季、水を落とした溜池や刈入れ後の水田では茎が平伏状となることが多い。花序は径1.5cmの頭状で枝をださない。果実は長楕円形、長さ0.5〜1mm、レンズ形、縁は鋭形であるが翼状にならない。
◎近似種との区別
最もよく似たシロガヤツリは果実の縁が翼状になる。外見がよく似ているため区別には細心の注意を要する。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:245頁,日本の野生植物I:184頁 |
分布 |
本州(関東地方以西)、四国、九州、中国大陸(南部)、インド、マレ−シア、オ−ストラリア。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地の開発や溜池の改修、圃場整備。農薬の使用。 |
必要な保全対策 |
本種は目立つ花や果実をつけず、希少種と気づかれぬまま湿地開発、溜池の改修、圃場整備などの犠牲になりやすい。諸開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。その上で開発の適否を判断すべきである。 |