選定理由 |
個体数が少なく、産地も限定。巨椋とあるのが京都府内唯一の記録である。近年の確認情報はない。 |
形態 |
湿地にはえる大形の多年草。茎は叢生し高さ30〜100cm、長い地下茎をひく。小穂は4〜8個、上部3〜4個は雄性、他は雌性。果胞は卵形で長さ6〜8mm。北地に多い。
◎近似種との区別
ウマスゲ(府内絶滅種)にやや似るがウマスゲの果胞は狭卵形で長さ1〜1.2cm。
◎参照 日本スゲ属植物図譜II:273頁,原色日本植物図鑑草本III:No.537,日本の野生植物I:149頁 |
分布 |
北海道、本州(関東、北陸地方以北)、九州、北半球の北地に広く分布。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発、河川改修。 |
必要な保全対策 |
もともと北地の植物で、京都府のものは最終氷期の遺存種と考えられる。府内唯一の産地であった巨椋池は干拓され、池そのものが消滅した。湿地開発や河川改修に先立つ詳細な生物調査が必要である。自然が今日のように荒廃した状況下での開発や埋め立ては、安易に許される時代ではなくなった。 |