種子植物
種子植物 カヤツリグサ科
種子植物 カヤツリグサ科
オニナルコスゲ
Carex vesicaria L.
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
---|---|
2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種A |
選定理由 | 個体数が少なく、産地も限定。「巨椋」とあるのが京都府内唯一の記録である。近年の確認情報はない。 |
---|---|
形態 | 湿地にはえる大型の多年草。茎は叢生し高さ30~100cm、長い地下茎をひく。小穂は4~8個、上部3~4個は雄性、他は雌性。果胞は卵形で長さ6~8mm。北地に多い。ウマスゲ(府内絶滅寸前種)にやや似るがウマスゲの果胞は狭卵形で長さ10mm前後。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)149、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)295、日本カヤツリグサ科植物図譜(平凡社)496-497 |
分布 | 北海道、本州、九州。北半球の温帯に広く分布。 ◎府内の分布記録区域 中丹地域(情報のみ)、山城地域(上記)。 |
生存に対する脅威 | 湿地開発、河川改修。 |
必要な保全対策 | すでに巨椋池は埋め立てられており、絶滅した可能性もある。標本は京都大学に残されている。もともと北地の植物で、京都府のものは最終氷期の遺存種と考えられる。湿地開発や河川改修に先立つ詳細な生物調査が必要である。自然が今日のように荒廃した状況下での開発や埋め立ては、安易に許される時代ではなくなった。再発見されれば、系統保存を図るべき植物の一つである。 |
執筆者 津軽俊介